マーケットトレンド の 乳成分 産業
乳製品原料の需要を支える生乳生産量の増加
- 消費者の健康とウェルネスへの関心に後押しされ、より機能的な食品・飲料製品への需要が高まっていることから、市場では乳タンパク質の利用が増加している。FAOSTAT(Food and Agriculture Organization Corporate Statistical)データベースによると、インドは世界最大の牛乳生産国で、2021年の牛乳生産量は2億960万トンを超える。その他の大規模な生乳生産国は、約1億262万トンの米国と、約6,080万トンのパキスタンである。アジア太平洋地域の活発な生乳生産は、乳タンパク質濃縮物、粉乳、乳清タンパク質原料などの誘導体の成長を支えている。分離乳タンパク質はその消化吸収性の特性から、ベビーシリアル、ボトル入りベビーフードなどの製品に乳幼児食品メーカーが最もよく使用する成分である。
- 2021年には、ラクタリスなどのメーカーが、製菓・製パン業界などさまざまなエンドユーザー業界にわたってさまざまな用途の有機全粉乳原料を発売した。これは、有機食品の配合を検討している様々なエンドユーザー産業からの急増する需要に対応するために行われた。
- さらに、乾燥乳タンパク質濃縮物は、限外濾過(UF)、蒸発またはナノ濾過、噴霧乾燥などのプロセスを組み合わせて、脱脂乳から製造される。乳タンパク質濃縮物の需要増加は、市場における脱脂粉乳生産の着実な成長によって支えられている。米国は脱脂粉乳生産の増加を記録しており、調査期間中の脱脂濃縮乳と乳タンパク質濃縮物の成長を支えている。
- 消費者の需要に加えて、酪農産業を支援する政府の取り組みが生産増加に大きな役割を果たしている。例えば、インドの国家酪農開発計画(NPDD)は、高品質の牛乳とその製品の生産のためのインフラを強化することを目的としている。市場における乳業業界の前向きな見通しは、タンパク質が豊富な食品への需要の増加や製品発売の絶え間ない進化と相まって、食品・飲料業界における様々な乳製品原料の応用を積極的に加速させている。この傾向は予測期間中も勢いを増すと予想される。