マーケットトレンド の 一般 産業
フェノール部門からの需要増加
- クメンの主な用途の一つはフェノールの製造である。クメンを分子状酸素で液相酸化すると、クメンヒドロペルオキシドが形成され、さらに触媒を用いてフェノールとアセトンに分解される。
- フェノールは多くの産業で重要な役割を果たしている。フェノールの一般的な用途としては、合板、窓ガラス、DVD・CD、コンピューター、スポーツ用品、グラスファイバー製ボート、自動車部品・付属品、回路基板、薄型テレビなどがある。
- 自動車産業の成長はフェノール市場の成長にとって不可欠であり、ひいてはクメンの需要を増大させる。自動車産業はここ数年で大きな成長を遂げた。OICAによると、2021年の自動車生産台数は80,145,988台で、2020年比で3%の伸びを示した。
- フェノールはまた、合板や延伸ストランドボードなどの木製品に使用されるフェノール系接着剤の主要成分でもある。また、洗剤、農薬、医薬品、可塑剤、染料を製造する際の貴重な中間体でもある。
- フェノールの単一市場で最も大きいのは、フェノールとアセトンから製造されるビスフェノールA(BPA)の生産である。BPAはポリカーボネートやエポキシ樹脂の製造に使用され、様々な分野で使用されている。
- 経済産業省によると、日本のフェノール総生産量は2021年に617.7千トンとなり、2020年の551.69千トンと比べて11.9%の成長率を記録した。フェノールの生産量の増加は、将来的にクメンの消費量を押し上げる可能性が高い。