マーケットトレンド の クラウンキャップ 産業
ノンアルコール飲料が大きなシェアを占める見通し
- 炭酸飲料はガラス瓶で保存するのが一番おいしい。ガラス瓶の厚い層は、飲み物に含まれる二酸化炭素を外に逃がさない。そのため、飲み物は発泡しているように見える。ペットボトルで保存すると、ガラス瓶に比べて二酸化炭素が漏れやすい。リサイクル性の高さから、金属製の王冠キャップは主にガラス瓶に使われている。そのため、世界中で人気のある清涼飲料水が、この市場で大きなシェアを占めている。
- 清涼飲料水は、使い捨てペットボトルの中で世界的に大きなシェアを占めている。しかしながら、様々な清涼飲料メーカーが、政府の規制強化や包装コストの削減により、ガラス瓶への切り替えを進めており、クラウンキャップ市場も同様の傾向にある。例えば、長年使い捨てペットボトルに注力してきた飲料メーカーCoca-Cola India Pvt.Ltd.は、2022年2月からインドで再びリターナブルのガラス瓶を販売するようになった。この変更は、同社のユーザーベースを拡大し、インド市場全体で金属缶の需要を押し上げると同時に、包装コストを引き下げる。
- さらに2023年10月、コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニー(HBC)は、オーストリアの施設に1,200万ユーロ(1,270万米ドル)を投資し、新しい高速リターナブルガラスびん製造設備を導入したことを発表した。オーストリア市場向けに、この新しいガラス瓶ラインは、リシーリング可能な400mlのリターナブルガラス瓶を生産すると予想されている。再利用可能な包装の使用を増やすことで、容器回収が飲料配送モデルに組み込まれ、再利用可能なボトル用の王冠の需要が高まるだろう。
- ドイツの包装・瓶詰機メーカーであるKrones AGが発表した2022年の年次報告書によると、2022年の包装飲料の世界消費量は約1兆4,000億リットルに達した。また、包装飲料の消費量が最も多かったのはアジア太平洋地域で、2022年には2,880億リットルとなった。2025年には3,366億リットルに達する見込みである。予測によると、世界の主要地域はすべてパッケージ飲料の消費量の伸びを目の当たりにすると予想され、ひいてはそれが王冠キャップ市場の成長に寄与すると予想される。
- 特筆すべきは、いくつかの清涼飲料メーカーが、クラウンキャップ付きの持続可能でリサイクル可能なガラス瓶を発売するために、絶えず合併、買収、提携を行っていることである。2022年12月、マルタを拠点とするペプシコのパートナーであるSimonds Farsons社によって、ペプシコーラ、ペプシマックス、7up、7up Free、ミリンダなどの主力ブランド向けに、詰め替え可能な1回分の特注ガラス瓶が新たに発売された。

アジア太平洋地域が最速の成長を遂げる
- 急速な都市化、中間所得層の増加、消費者の購買力の向上といった要因が、アルコール飲料とノンアルコール飲料の需要増加に寄与している。加えて、飲酒人口や、パーティーや社交の場を通じて社交的になりたいという欲求が劇的に増加している。社会的・文化的要因の変化もアジア太平洋地域のアルコール飲料市場の潜在力を強めており、予測期間中に王冠キャップとクロージャーの成長を促進する可能性がある。
- アジア太平洋地域は、中国とインドという人口の多い2カ国の存在により、最も速い成長が見込まれている。この2カ国では、可処分所得の増加がクラウンキャップ市場の成長を補うと予想されている。同地域での需要増加を受けて、同地域で事業を展開する企業は他国の需要にも応えるべく成長している。特に、中国国家統計局が2023年1月に発表した報告書によると、同国は2022年に世界全体で4億7,944万リットルのビールを輸出し、2021年の4億2,420万リットルから大幅に増加した。
- インドでは、ビールを好む若者の人口が増加しているため、ビールの消費量が大幅に増加している。ライフスタイルと消費者の嗜好の変化が、アジア太平洋地域におけるビールの普及をかなり後押ししている。さらに、カナダ農業食糧省によると、インドのビール消費量は2021年の22.3億リットルから2025年には26億リットルに増加すると予想されている。この増加は、予測期間中のインド市場の成長を後押しすると予想される。
- 低アルコール飲料への嗜好は一貫して高まっており、健康志向の消費者の関心の高まりや、味を改善した新シリーズの選択肢の広がりによって、ノンアルコールビールや低アルコールビールの売上が増加している。アルコール度数2.8%以下の低アルコール・ビールが、高アルコール・ビールに比べて割安になったことも要因のひとつだ。
- さらに、中国ではノンアルコール飲料の生産量が増加しており、予測期間中の市場成長を支えるものと期待されている。例えば、中国国家統計局によると、同国の2023年7月のノンアルコール飲料生産量は1,891万トンを超え、2023年1月以降の数ヵ月間で最高を記録した。この上昇傾向は予測期間中も続くと予想され、同地域における王冠キャップの需要を増加させると予測される。
