マーケットトレンド の コットン 産業
綿花輸出の需要増
- アパレル製造、家庭用家具、工業製品の製造を含む様々な産業における綿の用途と使用量の増加が、市場の成長を促進している。医療用ガーゼ、綿棒やラウンド、伝統的な紙おむつはすべて綿を使用して作られている。また、綿実油は綿花から抽出され、料理、石鹸作り、化粧品などに使用される。
- 用途の増加により、世界中の多くの国々から綿花の需要が増加している。例えば、米国農務省(USDA)によると、2021/2022年には米国が世界の綿花の主要輸出国であった。その時期の米国綿業界の輸出量は約320万トンであった。輸出シェア第2位はブラジルで、輸出量は172万トン、次いでインド、オーストラリアとなっている。
- さらに、米国は繊維の主要生産国および輸出国として、世界の綿花市場で重要な役割を果たしている。米国の繊維工場は現在、年間約760万ベールの綿花を消費している。最終的に、その約57%がアパレル製品に、3分の1以上が家庭用家具に、残りが工業製品に変換される。
- 米国で生産される繊維製品の最終用途に占める綿のシェアは、約34%と着実に増加している。したがって、このような綿花需要の増加は、最終的には予測期間中の輸出を増加させると予想される。
アジア太平洋地域が世界の生産量を独占
- アジアが世界の生産を支配している。中国は世界の生産と輸出市場をリードしているが、生産された綿花のほとんどは国内で消費されている。中国35省のうち24省が綿花を栽培し、3億人近くがその生産に携わっている。
- 米国農務省によると、2021/2022年の中国の綿花生産量は約588万トンである。2位はインドで533万トンである。
- 長年にわたり、この地域の綿花生産量は大幅に増加している。インド綿花公社によると、インドは世界有数の綿花生産国で、世界の綿花生産量の約22%を占めている。1ヘクタール当たりの収穫量は現在469キログラム/ヘクタールで、平均輸出量である約787キログラム/ヘクタールを下回っている。同様に、2021年の世界の綿花生産量は2,636万トンを占めるが、インドだけが約579万トンを占めている。
- さらに、中国でもインドでも繊維セクターが優勢で、国内で生産される綿花のほとんどを消費している。従って、アジア太平洋地域のインドや中国のような主要国では綿花の需要が高く、予測期間中、同地域での綿花増産需要が促進されると予想される。