マーケットトレンド の チャドの石油とガスの上流 産業
市場を支配する石油
- 2018年現在、チャドは推定15億バレルの原油確認埋蔵量を保有している。チャドは内陸国であるため、同国の確認埋蔵量はすべて陸上にある。
- チャドの油田は、平均APIが25.3で硫黄含有量が非常に少ないドバ型原油を生産している。この原油の品質は、石油精製に特定の精製所を必要としないため、石油の需要を高めている。
- 2018年には、国内の天然ガスの埋蔵量が少ないため、天然ガスの生産量はごくわずかである。
- したがって、天然ガスよりも石油の方が大量に存在するため、石油が市場を支配すると予想される。
石油生産量の減少が市場を抑制する
- 2019年現在、チャド最大の油田は成熟している。油田の拡張と回収技術により、同国の古い油田は安定した生産量を維持しているが、上流への追加投資がなければ、減少率が拡大し、生産量が減少する可能性が高い。
- 同国の大手上流企業グレンコアは、同国での探鉱ライセンスを失った。同国政府と同企業は、新たなライセンスを得るための契約をまとめることができなかった。同企業の財政が悪化しているため、予測期間中に契約がまとまる可能性はさらに低いと思われる。
- 石油生産量は1.85%減少し、2017年の5.4百万トン(石油換算)から2018年には5.3百万トン(同)に減少した。生産量の減少は油田の成熟によるものである。
- チャドの石油・ガス上流産業は、同地域の石油生産量の減少により、予測期間も停滞が続くと予想される。