マーケットトレンド の カナダパワー 産業
大幅な成長が期待される再生可能エネルギー
- カナダのエネルギー部門は、再生可能な資源に恵まれている。水力エネルギーが再生可能エネルギー発電の大半を占め、風力と太陽エネルギーを利用した発電が急速に増加している。バイオ燃料も、再生可能エネルギー・ミックスのごく一部を形成している。天然ガス、石油、石炭、原子力で構成される非再生可能エネルギー部門は、最近すでに自然エネルギーにいじめられている。
- 電力ミックス(水力エネルギーを含む)に占める自然エネルギーの割合は、2020年には71%を記録した。この伸びの主な要因は、太陽光発電と風力発電の容量の増加である。2020年には約70MWの太陽光発電設備が設置され、さらに166MWの風力発電設備が設置される。2020年時点で、太陽光発電は3000メガワット、風力発電は13588メガワットとなっている。同国の再生可能エネルギー発電容量には、まだ多くのプロジェクトが追加されようとしている。
- 例えば、2021年4月、カナダのベーカリー製品会社ビンボ・カナダは、RESカナダと2つのVPPA(仮想電力購入契約)を締結し、同国に建設予定の2つの風力発電所と太陽光発電所から電力を購入した。この2つの15年VPPAは、同社の16のベーカリー、14の配送センター、191のデポへの50MWの電力供給を保証する。発電所は2022年末までに稼働する予定だ。
- さらに、再生可能電力は国内の商業部門にも進出した。2021年6月、再生可能エネルギーの最大の企業購入者であるアマゾンは、現在建設中で、2022年までに稼動予定の375MWの太陽光発電所から電力を購入することを計画した。アルバータ州におけるアマゾンの2番目の再生可能エネルギー・プロジェクトとみられ、これによりカナダにおけるアマゾンの発電能力は100万MWhを超えることになる。
- さらに、同国には「Emerging Renewable Power Programのようなインセンティブ・プログラムがいくつかあり、再生可能エネルギー・プロジェクトの拡大に2億米ドルが提供される見込みだ。さらに、2021年6月には、カナダのスマート再生可能エネルギーとグリッド近代化プロジェクトを支援する9億6,400万米ドルのプログラムが開始された。
- このような動きは、同国におけるテンポの速い再生可能エネルギーの成長を予測する態勢を整えている。
産業部門の成長が市場を牽引する見込み
- 同国では過去10年間、産業部門が着実に成長してきた。国内で最も急成長している産業は、建設業、製造業、鉱業などである。
- 電力消費に占める産業部門の割合は、家庭用部門と商業用部門に次いで、2020年には約14%となる。産業部門は後者2部門に遅れをとっているが、近い将来そうなることはないだろう。同国は、今後予定されている建設・製造プロジェクトによって産業部門を発展させるべく、多くの新しい計画を打ち出している。
- 一例として、同国は2021年第3四半期にフリートウッド貯水池と水道本管の建設を計画している。このプロジェクトは、フレイザー川の南側で成長する地域社会に清潔な飲料水を供給することを目的としている。2024年までに稼動する予定である。このようなプロジェクトの稼動により、カナダの電力需要が増加すると予想される。
- さらに2021年、カナダはバーナビー病院再開発という新たな建設プロジェクトを年間リストに加えた。このプロジェクトは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州に2つのタワーからなる314床の病院を建設するものである。この110万米ドルのプロジェクトは2028年までに完成する予定である。
- したがって、このようなプロジェクトの運営は、予測期間中にカナダの電力需要を増加させると予想される。