マーケットトレンド の バナナ 産業
健康志向の高まりがバナナ市場を牽引
- 食品・飲料の進歩や健康意識の高まりにより、消費者の関心は衛生的で健康的な食品へとシフトしている。
- バナナは、ビタミンB6、ビタミンC、マンガン、カリウム、食物繊維、タンパク質の豊富な供給源と考えられている。バナナは、代謝と神経系の適切な機能に寄与し、消化を助ける。
- また、バナナは生食以外にも、朝食用シリアル、アイスクリーム、その他のデザートなど、さまざまな食品に利用されている。バナナは何十年もの間、主食として、安価で入手しやすい食品とされてきた。そのため、消費者の経済的、環境的、社会的な幸福意識を満たすために、絶え間ない生産開発が行われてきた。
- 最近では、スポーツドリンクに代わるエネルギーや電解質の補給にバナナが使われることが増えている。この需要は中国やヨーロッパ諸国などの先進国ではさらに高く、バナナの輸入はここ数年徐々に増加している。
- ITCの貿易マップによると、ドイツのバナナ輸入量は2018年から2021年の間に15万トン以上増加しており、2021年には141万トンに達する。
- 消費者の健康志向の高まりにより、バナナの需要は予測期間中にさらに拡大すると予想される。
アジア太平洋地域がバナナ市場を支配
- アジア太平洋地域は2020年の世界生産量の55.4%を占め、バナナ市場をリードしている。アジア太平洋地域内ではインドが世界最大のバナナ生産国で、2020年の生産面積は87万8,000ヘクタール、生産量は3,150万4,000トンで、中国、インドネシアがこれに続く。
- インドのバナナ輸出額は2021年に1億4,289万9,000米ドルで、世界の輸出額の1%に過ぎない。しかし、アジア太平洋地域では人口の増加により一人当たりの消費量が増加している。消費量の増加は、地域全体の生産者が生産レベルを上げることにつながっている。
- インドの土地保有構造上、土地の使用には一定の制限がある。そのため、契約栽培モデルが利用されており、アグリビジネス生産者は国内の法的制約を克服することで、より広い面積でバナナを生産することができる。
- バナナの生産と輸出は、世界市場において高い輸出ポテンシャルを持つことから、この地域の政府によって支援されている。2022年4月、インドの国立園芸局はクラスター開発プロジェクト(CDP)の一環として、アンドラ・プラデシュ州のクルノール、アナンタプル、カダパの3地区におけるバナナの生産と輸出の開発を発表した。このプロジェクトは、クラスター内の輸出インフラ設備を改善することにより、75,000トン以上のバナナを輸出することを目的としている。
- 国内消費の増加と輸出の可能性に後押しされた同地域のバナナ生産量の増加は、今後数年間のバナナ市場の成長を促進すると予想される要因のひとつである。