マーケットトレンド の 自動車用ガスケットおよびシール 産業
自動車販売台数の減少が市場の妨げになる見通し
年間自動車販売台数は2018年までは増加傾向にあった。しかし、世界的な経済不況により、2019年からは新車販売登録台数が減少傾向にある。2020年にはCOVID-19の大流行によりさらに悪化した。例えば、2019年には乗用車・商用車合わせて89,013,293台が販売され、次いで2020年には77,052,911台と減少し、全世界での販売台数は前年比13.43%減となった
ガスケットやシールは従来、内燃エンジンで主に使用されてきたが、最近では電気自動車で主要な用途を見出している。電気自動車では、車輪の車軸に使用される潤滑油や外部環境条件から電気モーターを保護する必要があり、シール市場の大きな市場機会となっている
電気自動車の足回りに収納されている巨大なバッテリーパックは、自動車用ガスケットおよびシールの主要市場である。車両が最適な航続距離を達成するためには、バッテリーパックを湿気や埃、外部環境条件から保護する必要がある。シールとガスケットはまた、振動を和らげ、バッテリーの動きを制限することによって、道路から感じる振動を防ぎ、バッテリー内の化学物質の安全を保つのに役立つ
アジア太平洋とヨーロッパが市場を支配
過去10年間、アジア太平洋地域の自動車産業は、その歴史上最も大きな変貌を遂げてきた。同市場は、世界の自動車販売に占める割合が増加している。自動車用ガスケット・シール市場の成長を促すもう一つの大きな要因は、同地域における電気自動車の生産と販売の増加である
アジア太平洋地域には、中国、インド、タイといった主要な自動車市場がある。中国は世界最大の自動車市場であり、2020年に欧州が電気自動車を上回ったのに次いで2番目に大きな市場である。ガスケットやシールは電気自動車と従来のICE車の両方に応用されているため、中国には大きな市場機会がある。乗用車と商用車の市場が大きいインドは、ガスケット・シール市場にとって潜在的成長のもう一つの主要地域である
欧州も世界の自動車用ガスケット・シール市場で大きなシェアを占めると予想される。同地域では商用車の需要が伸びており、自動車産業のICEと電気自動車の両セグメントで高い発展が見られる。自動車全体の販売台数は減少傾向にあるが、特にアジア太平洋地域における中古車などの中古車販売の増加が、ガスケット・シールのアフターマーケット販売の大きな成長要因となっている
また、各国の政府が徐々に締め出し規制を解除していることから、ガスケットやシールの新規販売やアフターマーケット向け販売が増加し、市場の経済状況が活性化すると予想される