マーケットトレンド の オーストラリアの呼吸器装置 産業
人工呼吸器部門は今後数年間で良い成長を示すと予想される
- 人工呼吸器は、酸素を豊富に含んだ空気を肺に送り込む機械である。国内では肺がんや喘息などの呼吸器疾患の負担が大きいため、予測期間中に同分野の成長が見込まれている。また、政府による人工呼吸器の寄付や市場参入企業による技術の進歩や発売も、同分野の成長を後押しすると予測されている。
- Cancer Council 2022の報告書によると、肺がんはオーストラリアで5番目に多く診断されるがんで、85歳までに20人に1人が診断されると推定されている。また、2022年には14,500人以上が肺がんと診断されると推定されている。肺癌では、ネブライザーによる化学療法が提案され、その管理にはほとんどの場合人工呼吸が必要である。したがって、同国における肺がんの高い負担は、同国における人工呼吸器の需要を促進し、それによって市場の成長を促進すると予想される。
- 加えて、人工呼吸器を必要としている国に寄付する政府の取り組みは、同国における人工呼吸器の生産量と入手可能性の高さを示している。例えば、2021年6月、モリソン政府はインド、ネパール、スリランカに酸素医療用品を届けることで、COVID-19による重大な保健・人道上の課題に直面したインド太平洋地域のパートナーに立ち向かった。オーストラリアはまた、3,710万米ドルのインド支援の一環として、3,000台の人工呼吸器と250台の酸素濃縮器をインドに供給した。こうした取り組みにより、今後数年間は同国での人工呼吸器の生産が促進されることが期待される。
- さらに2023年1月、Getinge社は新しい機械式人工呼吸器Servo-cをオーストラリアで発売し、小児患者と成人患者の両方に対応する肺保護治療ツールを提供した。Servo-cは、世界中のより多くの病院が医療にアクセスしやすく、手頃な価格で利用できるようにすることを目的としている。技術的に先進的な人工呼吸器の発売が増加していることも、予測期間中の同分野の成長に寄与している。
スパイロメーター部門は予測期間中に大きな成長が見込まれる
- スパイロメーターは、人が吸ったり吐いたりできる空気の量や呼吸数など、さまざまな肺機能パラメータを測定します。これらの測定は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、その他の肺疾患などの呼吸器疾患の診断やモニタリングに役立つ。この分野は、喫煙の負担が高いことと、同国における革新的なスパイロメータの開発のために市場関係者による研究開発活動が活発化していることから成長が見込まれており、市場成長に大きく寄与している。
- また、オーストラリアにおける喫煙率の高さは、様々な呼吸器疾患の有病率を増加させることが予想されるため、疾患の診断に必要な肺機能を測定するためのスパイロメータの使用率が増加する。例えば、オーストラリア統計局が2021年12月に更新したデータによると、2021年のオーストラリアでは、成人の10人に1人が毎日喫煙していると推定され(10.7%、成人210万人)、男性は女性よりも毎日喫煙する可能性が高かった(8.8%に対し12.6%)。また、健康状態が良好または不良の成人は、現在日常的に喫煙している可能性が高い(17.7%)。したがって、同国における喫煙の高い負担は、COPDや喘息などの呼吸器疾患を監視するためのスパイロメーターの需要を押し上げると予想される。
- さらに、2021年3月、Vyaire Medical社はAioCare(HealthUp SA、ポーランド)モバイルスパイロメトリーシステムをオーストラリアなど15カ国以上で発売した。この新技術により、医師は喘息やCOPDを含む肺疾患を病院グレードのスパイロメーターと同等の精度で迅速に診断することができ、自宅で高度なデジタル接続を介して質の高い患者モニタリングを行うことができる。技術的に先進的なスパイロメーターの発売が増加していることから、予測期間中に需要が高まると予想される。
- したがって、喫煙の高い負担と技術的に高度なスパイロメータの発売の増加により、このセグメントは予測期間中に大きな成長を目撃すると予想される。