マーケットトレンド の オーストラリアのデータセンター建設 産業
ティア3は最大のティアタイプ
- オーストラリアにはTier 1 2認定施設はない。オーストラリアのデータセンター市場のティア3セグメントは、2021年に1,185.7MWのIT負荷容量に達した。2022年の1,616.26MWから2029年には2,615.6MWに成長し、年平均成長率は7.12%になると予測されている。ティアIVデータセンター・セグメントは、2021年に123MWのIT負荷容量に達した。この容量は2022年の185MWから成長し、2029年には517MWに達すると予測され、CAGRは15.81%である。
- オーストラリアのデータセンター市場では、ティア3とティア4のデータセンターが大きな成長を遂げると予想されている。ティア3データセンターは、N+1冗長化により99.98%のアップタイムを提供し、多くの企業に利用されている。しかし、プロバイダーは新しい施設でTier 4の認証を取得しつつある。例えば、ブリスベンにあるNextDCのデータセンターは、Uptime InstituteからTier 4の構築済みファシリティ認証を国内で初めて取得した。
テレコムが最も高い市場シェアを占めると予想される
- オーストラリアの通信業界は大きな変化を迎えている。オーストラリアの通信業界は、大手通信事業者3社と、光ファイバーと固定回線ネットワークを提供するインフラ・プロバイダー、ナショナル・ブロードバンド・ネットワーク(NBN)で構成されている。タワーに技術を搭載しているベンダーは、Telstra、Optus、TPG(旧VHA)、それにNBNである。
- 現在、オーストラリアは主要都市で5Gを展開しており、より多くのサービスを提供するために周波数帯のオークションを進めている。これにより、タワーの必要性が高まる。2021年4月、政府はハイバンド5G周波数帯(26GHz帯)を割り当て、超高速・大容量サービスが可能になる。2021年後半には、政府は低帯域の5G周波数帯(850/900 MHz帯)を割り当てた。これにより、超低遅延、大容量、ネットワーク・スライシングのような高度な機能といった5G独自の特性を活用した、企業市場における5Gの新たなアプリケーションが可能になる。
- 2022年、オーストラリアではTelstra、Vodafone、Optusのような有名通信事業者を通じて5Gの利用が可能になった。OpenSignalによると、Telstraは通信事業者の中で最も5Gの可用性が高かった。5G対応デバイスを持つテルストラの顧客は17.5%の確率で5G接続が可能だったのに対し、オプタスの顧客は8.7%の確率でしか接続できなかった。
- 最近の投資や買収に伴い、オーストラリアのデータセンター市場の通信部門は成長が見込まれている。2022年6月、TPGテレコムの通信タワー資産を最近買収したOMERSインフラストラクチャーは、オーストラリアで新たなタワー投資を行う。OMERSインフラストラクチャーは、モバイルタワー資産の開発・所有・運営を行うスティルマークの買収に合意したと発表した。統合されたタワー事業は、OMERSインフラストラクチャーのデジタルインフラ資産のグローバルポートフォリオの一部にもなる。オーストラリアのデータセンター市場における電気通信部門は、データセンターに対する需要の高まりと依存度の増加に対応するため、大幅な成長が見込まれている。