マーケットトレンド の アジア太平洋地域のターボプロップ航空機 産業
民間航空部門が最も高い成長率を示す見込み
人々の可処分所得の増加と、それに伴うこの地域の航空部門の成長が、ターボプロップ機の成長を牽引している。将来的には、世界の旅客機生産の40%近くがアジア太平洋地域で生産されるようになるだろう。ベトナム、インドネシア、フィリピンなどの市場は、過去数年間、航空部門で著しく好調だった。インドなどの国々では、地域航空のニーズに応えるために多くの航空会社が登場した。2019年5月のRPK(Revenue Passenger Kilometers)は、同年4月の2.4%増に対し、4.5%増となった。インドは2019年に2018年比で6%のRPKgrowth率を示したのに対し、日本のRPKは2019年に前年比7%近い成長率を示した。インドの格安航空会社IndiGoは、2019年6月以降、新たに8機のATR機を導入した。現在25機のATR機を運航しているが、さらに25機のATR機の納入を見込んでいる。別の地域格安航空会社であるトゥルジェットも、既存の5機に加え、さらに5機のATR 72を導入する予定だ。韓国の航空業界がCOVID-19パンデミック流行の影響を受けている一方で、新しい格安航空会社であるハイ・エア株式会社は、2020年末までに新たに2機のATR機を取得する計画を発表した。2019年には、ネパールのブッダ・エアーも、既存のターボプロップ機12機に新たにATR-72を2機追加した。オーストラリアの民間航空セグメントは2019年にわずか1.1%のRPK成長を示したが、同国の一般航空セグメントは上昇している。2019年、Textron Aviationは航空救急サービス用に国産のKing Air 350 5機をPel-Airに売却した。前述の要因は、同地域のターボプロップ機市場の成長を促進している
予測期間中に著しい成長が見込まれる中国
中国は、航空旅客輸送量と航空インフラ整備において、アジア太平洋地域で最大の成長率を示している。将来の旅客機の20%近くが中国で生産されることになり、これがターボプロップ機の国内市場の成長を大きく後押ししている。2020年、中国は主に国内航空と短距離国際線に、より多くの国産航空機を使用するようになるだろう。AVIC XAC Commercial Aircraft Company Limitedが開発したMA700双発ターボプロップ機は、2020年に初飛行する予定である。中国はすでに、MA700型機を国内外から285機近く受注している。中国ではCOVID-19の発生後、事業環境が正常化し始めており、中国の短距離ターボプロップ機の開発作業も再開された。以上のような要因が中国のターボプロップ機市場の成長を大きく後押ししている