マーケットトレンド の アジア太平洋シード 産業
ハイブリッドが最大の育種技術
- アジア太平洋地域では、ハイブリッド種子が種子市場を支配し、金額ベースで2021年のシェアは65.1%であった。ハイブリッド種子市場全体の金額のうち、連作作物のシェアは86.4%を占め、2021年の野菜のシェアは13.6%であった。
- ハイブリッド分野が大きなシェアを占めているのは、高い生産性、幅広い適応性、生物学的・生物学的ストレスに対する高い耐性があるためである。例えば綿花では、ハイブリッドは従来品種より50%も収量が多い。したがって、ハイブリッド種子の需要は予測期間中に増加すると予想される。
- 2021年には、連作作物のハイブリッド種子のうち、遺伝子組み換えハイブリッド種子が市場シェアの18.2%を占めたのに対し、非遺伝子組み換えハイブリッド種子は金額ベースで市場シェアの81.8%を占めた。
- アジア太平洋地域では、ハイブリッドのうち、昆虫抵抗性のトランスジェニック・ハイブリッドがトランスジェニック種子市場を支配しており、2021年の市場シェア金額の75.3%を占めている。この地域で栽培が承認されている耐虫性形質を持つ作物は、トウモロコシ、綿花、コメである。
- 開放受粉品種とハイブリッド派生品種は、アジア太平洋地域の2021年の市場シェア値の34.9%を占めた。インドなどでは、政府がOPVの利用拡大を支援するため、国際的な種子会社が請求できる価格に上限を設けることで、地元で育種された開放受粉品種を積極的に推進しているからである。
- ハイブリッドや改良型OPVの利用可能性が高まった結果、収量の向上、種子価格の上昇、手頃な価格での種子の入手など、多くの利点がもたらされた。これらの要因が、予測期間中のアジア太平洋地域の種子市場の成長を促進すると予想される。
中国は最大の国
- アジア太平洋地域では、2021年には中国が金額ベースで54.5%の市場シェアを占め、インド(14.7%)、日本(5.6%)、インドネシア(4.5%)、フィリピン(3.0%)と続く。
- インドでは、種子産業の発展を支援するため、インド政府は、種子村プログラム、油糧種子統合スキーム、インド北東州への種子移動に関する輸送補助金、ハイブリッド米種子生産など、多くのスキームを立ち上げ、生産、流通、輸送のコストを支援している。
- オーストラリアでは、連作作物分野が種子市場全体の82.8%と最大のシェアを占め、野菜は17.2%である。小麦は同国で栽培されている主要な連作作物のひとつで、連作作物の種子市場全体の13.0%を占めている。
- コメは日本の主食作物である。コメだけで、2020年の連作作物栽培総面積の72.0%を占める。消費者需要の増加と生産性向上の必要性から、同国では高収量品種への需要が高まるだろう。
- 2017年、インドネシア農業省は、大豆の国内生産を増加させ、輸入への依存度を低下させるため、洪水や水没に耐性があり、核技術を利用して開発されたムティアラと呼ばれる大豆の改良品種を選定し、種子需要の増加を促した。
- フィリピンでは、農家が米作からタマネギ栽培にシフトしている。また、輸入に依存しないというメリットもあり、同地域のタマネギ種子市場を牽引している。