マーケットトレンド の アジア太平洋地域の調味料とスパイス 産業
加工食品の需要急増
加工食品産業の成長がアジア太平洋地域の香辛料・調味料市場の拡大に拍車をかけている。特に中国、インド、日本では、ライフスタイルの変化、働く女性の人口増加、製品提供の増加、香ばしいスナック、スープ、麺類、飲料、調理済み食品の小売チャネルの浸透により、消費者の支出が増加している。その結果、ソース、サラダ、ドレッシングなどの分野でスパイスの購入が増え、市場成長を大きく牽引している。 通商産業省によると、2021年に日本のコンビニエンスストアで販売された加工食品の小売額は約3兆700億円に達した
洋食がますます身近で主流になるにつれ、消費者は新しく刺激的なスパイスや調味料への欲求を高めている。さらに、加工食品に含まれる有害な成分や添加物に対する意識の高まりが、消費者をオーガニックスパイスへと向かわせている。 西洋料理が増加している理由としては、多文化人口の増加や、異国への旅行が増加していることなどが挙げられる。その結果、異国料理に使われるスパイス、ハーブ、調味料の需要も伸びている。アジア太平洋地域におけるこのような西洋料理への需要の高まりは、発展途上国からのスパイス、ハーブ、調味料のアジア地域輸入の大幅な増加につながり、同地域における西洋料理の成長を後押ししている
インドが市場で圧倒的なシェアを占める
インドのスパイス・調味料市場の主な原動力は、中流階級の人口増加、エンドユーザーの健康に対する意識の高まり、天然保存料としてのスパイス使用の増加である。インドは世界的にスパイスの主要輸出国・消費国のひとつであり、インド・スパイス委員会による市場シェアは46%で、世界のスパイス貿易において圧倒的な地位を占めている。この地域では、国際標準化機構(ISO)がリストアップした109品種のうち、約75品種が生産されている。インドのスパイスは小規模な土地で栽培されており、有機農法が注目されている。世界中に多くのスパイスを輸出している。需要の大半は、米国、中国、ベトナム、アラブ首長国連邦、インドネシア、マレーシア、英国、スリランカ、ドイツといった国々からのものである