マーケットトレンド の アジア太平洋シーラント 産業
市場を支配する建築・建設業界
- 建築用シーリング材は、耐候性シール、窓やドアの固定、隙間埋めなどの目的で、建築・建設分野で広く使用されている。
- アジア太平洋地域のシーリング材市場で最も大きなシェアを占めているのはシリコーン系シーリング材で、太陽光、雨、強風、降雪などの極端な気象条件に対する耐性といった独自の特性を有している。
- 各国はこの地域で、よりエネルギー効率が高く、デジタル化が進んだインフラの再構築を目指しており、新しい建物の建設や古い建物の改築につながっている。このため、建築・建設用シーリング材の需要が大幅に増加することになる。
- 中国では、シーリング材は建築・建設、自動車、ヘルスケア、航空宇宙など、さまざまなエンドユーザー産業で主に使用されている。建築・建設は同国で最も消費量の多いシーラント分野であり、シーラント総消費量の66.5%を占めている。
- 中国政府は2019年に約1420億米ドルに相当する26のインフラプロジェクトを承認し、2023年に完了する予定である。さらに、同国は世界最大の建設市場を誇り、全世界の建設投資の20%を占めている。2030年までに、国全体で13兆米ドル以上の建設投資が行われると推定されている。
- インドとインドネシアを含む国々では、建築と建設がシーラントの最も高い消費分野であり、2021年のシーラント総消費量に占める割合はそれぞれ45.8%と27.6%である。さらに、日本も建築・建設分野でのシーラント需要が最も高く、シーラント総消費量の54.29%を占めている。
- 前述の要因が組み合わさって、予測期間中に建築・建設セクターで使用されるシーラントの需要を生み出すことになる。
ASEAN地域におけるヘルスケア・アプリケーションの需要増加。
- パンデミックにより、患者数が既存の施設を上回ったため、入院施設に対する大規模な需要が発生した。このため、小規模で迅速な外来サービスの開発が進み、2021年にはこうした医療技術の開発に必要なシーラントの需要が急増することになった。
- パンデミック期以降、医療システムの欠陥を克服することへの懸念が高まる中、世界各国の政府の政策は、医療システムをパンデミック期以前よりも効率的にする方向に引き寄せられている。
- 医療は、マレーシア全土でシーラントを本質的に消費している、顕著なセクターのひとつである。マレーシア政府は医療機器製造セクターを高成長セクターと位置づけ、第11次マレーシア計画において支援政策を策定した。マレーシア政府は2021年10月の2022年度予算で保健省に324億MYRを割り当てた。
- また、COVID-19以降、労働力不足が解消し、COVID規制が解除されたことで、生産設備がフル稼働するようになり、需要も増加した。
- このような要因により、医療用シーラントの需要は地域全体で増加すると思われる。