マーケットトレンド の アジア太平洋米 産業
地域人口の増加が需要を牽引
- 約47億5000万人が暮らすアジアは、世界人口の約60%を占める。2022年には中国とインドを合わせた人口は28億人を超えた。国連は、アジアの人口が2055年までに52億8000万人に達すると予測しており、米の需要が増加すると見込まれている。持続可能な米プラットフォーム(SRP)調査によれば、米はアジアの食生活の中心である。インド、インドネシア、タイ、ベトナムの消費者は、週に5回以上米を食している。パキスタンでは、米は人気のある主食だが、その消費量は控えめで、ほとんどの人が週に2〜3回食べている。
- この地域の平均的な人々の年間消費量は77kgを超える。アジアのいくつかの国では、米が摂取カロリーの70%以上を占めている。さらに、アジア太平洋地域では、米は最貧困層や栄養不良の人々の主食であり、彼らはより栄養価の高い代替食品を手に入れられなかったり、手に入れられなかったりすることが多い。米は、この地域と世界にとって不可欠な商品となっている。その重要性は世界的な食料安全保障にとどまらず、経済成長、雇用、社会的安定にも関わっている。
- 国際稲研究所(IRRI)は、アジア太平洋地域の食糧需要を満たすための取り組みをリードしている。例えば、IRRIはビタミンA、亜鉛、鉄などの重要な栄養素を豊富に含む米の品種開発の最前線にいる。また、糖尿病患者やその予備軍に有益な低グリセミック指数米の研究も行っている。米の需要が高まる中、IRRIは高収量品種を推奨している。同研究所は、ポストハーベスト・ロスと闘うため、乾燥や貯蔵などの技術を強化している。また、IRRIは機械化を推進し、土地の集約化を支援し、ほぼリアルタイムの情報システムを導入して、この地域のコメ需要に対応している。