マーケットトレンド の アジア太平洋地域のMCU市場 産業
成長する自動車産業が同地域の市場を牽引
- 著名な自動車メーカーであるトヨタは、30車種のバッテリー電気自動車(BEV)を発売し、2030年までに350万台の電気自動車販売を目指している。同社はアジア太平洋地域で大きなシェアを占めており、これがMCU市場を牽引する可能性がある。
- さらに、アジア太平洋地域の自動車産業の成長が市場の成長を支えている。例えば、インドの自動車産業は、可処分所得の増加と急速な都市化により、近年大きな成長を遂げている。IBEFが2023年4月に発表した報告書によると、インドは2024年末までに自動車産業規模を15,000万インドルピー(約1,816億米ドル)に倍増させることを目指している。2000年4月から2022年9月までに自動車産業には337億7,000万米ドルの外国直接投資(FDI)が流入しており、同期間のインドへのFDI流入総額の約5.48%を占めている。
- CAAMによると、2023年8月の中国の新エネルギー車販売台数は84万6,000台で、うち乗用車用電気自動車が80万8,000台、商用電気自動車が3万9,000台、乗用車用バッテリー電気自動車(BEV)が55万9,000台、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)が24万8,000台と報告されている。
- さらにフォルクスワーゲンは、2030年までに中国での電気自動車販売台数が50%に近づき、2040年にはほぼすべてがゼロ・エミッション車になると予測している。こうした動向や計画は、この地域の市場シェアを拡大し、同市場のベンダーや販売業者に同地域での事業拡大をもたらすものだ。
- さらに、IBEFによると、インドでは電気自動車(EV)市場が2025年までに50,000クローナ(〜60億5,000万米ドル)に達すると予想されている。また、CEEW Centre for Energy Financeの調査によると、インドでは2030年までに電気自動車に2060億米ドルのビジネスチャンスがあり、自動車製造と充電インフラに1800億米ドルの投資が必要となる。MCU市場のベンダーは、同国の自動車業界のプレーヤーと協力・提携することで、この機会から利益を得ることができる。

中国が大きなシェアを占める
- 同市場には複数の新規参入企業が現れている。例えば、2022年3月、上海復旦微電子有限公司は、自動車産業向けマイクロコントローラーの開発計画を発表した。この発表は、同社の拡大計画を強調するものである。
- また、中国は多くの産業で稼働している製造装置の数では、最大の製造大国のひとつである。米中貿易戦争が勃発する中、中国はマイコンの国内生産意欲を高めることに注力している。そのため、現地メーカーは自動車の電動化など大規模な政策に追随し、MCUに対する高い需要を生み出し、MCUの国内生産を後押ししている。
- 例えば、2022年4月、Nanjing SemiDrive Technology Ltd.はARMベースの車載用マイコンE3シリーズを発表した。これらは、ドライブ・バイ・ワイヤ・シャシー、BMS、ブレーキ制御、ADAS/自律走行モーション制御、HUD、LCD計器、ストリーミング・メディア・ビジョンシステム向けである。
- 同様に、2022年4月、同じく中国の半導体メーカーであるBYDは、車載用8ビットMCUチップの新シリーズBS9000AMXXを発表した。同社によると、BS9000AMXXシリーズは8ビットの汎用MCUで、チップは中心周波数が最大24MHZのS8051コアを使用している。
- また、中国家庭電器製品協会によると、2023年、家庭電器産業の市場規模は1兆7,500億元から約1兆8,400億元に拡大する。家庭用電化製品の増加は、研究市場の需要を増加させると予想される。
