マーケットトレンド の アジア太平洋地域の体外診断薬 産業
臨床化学セグメントは予測期間中に最も高い成長を記録する見込み
臨床化学は、分析、装置、情報技術、ワークフローの管理の組み合わせである。技術の進歩により、生物学的に重要なイオン(塩やミネラル)、有機低分子、酵素、輸送タンパク質、リポタンパク質などの高分子の検出技術の自動化が進んでいる。分析装置は血液、血清、尿などのサンプルを分析する装置である。臨床化学分析装置は、これらの装置に採用されている技術の発展により、高い成長を遂げている。次世代マイクロ流体デバイスのような技術革新は、全血からCTCを効率的に分離することができる。これらの装置は試薬やサンプルの消費量が少なく、分析に要する時間も短い。ポイントオブケア検査装置の技術的進歩が市場セグメントの成長に寄与している
このシステムには、衝突防止や液面検出技術を備えた多機能サンプルおよび試薬プローブが含まれる。さらに、肝疾患、甲状腺機能、癌などのような対象疾患の有病率の増加が、このセグメントの成長を後押ししている。例えば、2022年に「高所得アジア太平洋地域における甲状腺癌の世界的負担:世界疾病負担研究の体系的分析と題された論文では、高所得アジア太平洋地域における甲状腺癌の疾病負担は他の地域よりも有意に高く、これは過剰診断によるものと考えられると報告されている。甲状腺がんの罹患率の増加は、甲状腺がんがアジアにおいて依然として公衆衛生上の問題であることを示しているようである。国際糖尿病連合(IDF)によると、2021年のデータでは、IDF東南アジア(SEA)地域では9000万人の成人(20~79歳)が糖尿病とともに生活していると報告されている。この数字は、2030年までに1億1300万人、2045年までに1億5200万人に増加すると推定されている。したがって、甲状腺がんや糖尿病の患者数の増加は、携帯型または卓上型の臨床化学分析装置を直接必要とする患者数の増加につながり、医療費の削減や診断・治療率の向上につながると予想される
心疾患や糖尿病などの生活習慣病の増加、発展途上国における感染症の増加、家庭用ポイントオブケア機器の利用拡大、先進的で高速かつ使いやすい機器の開発における技術進歩などが、この分野の需要を促進している