マーケットトレンド の アジア太平洋の飼料種子 産業
ハイブリッドが最大の育種技術
- アジア太平洋地域では、ハイブリッド種子が、露地受粉品種やハイブリッド派生品種と比較して、量的にも金額的にも飼料用種子市場を支配している。2021年には、ハイブリッド飼料用種子が飼料用種子市場全体のシェア値の82.3%を占めた。
- ハイブリッド種子部門では、非遺伝子組換えハイブリッド種子が2021年の同地域におけるシェア値の99%以上を占め、市場を支配している。これは主に、遺伝子組換え形質が家畜や動物の健康に及ぼす影響が認識されているため、遺伝子組換え種子と比較して非遺伝子組換え種子が多く使用されているためである。
- 2021年の非遺伝子組み換え飼料種子生産では、各国の中でインドが最も急速に成長していた。同国の家畜人口と国内需要の増加により、ハイブリッド飼料種子全体のシェアは28.7%に達した。
- 2021年には、非遺伝子組換えハイブリッド種子のうち、飼料用トウモロコシが主要作物であり、市場シェア74.7%を占め、次いでアルファルファ9.2%、その他の飼料用作物が続く。 膨大な需要により、飼料用トウモロコシ種子市場は予測期間中に成長すると予想される。
- 2021年には、飼料用種子の開放受粉品種とハイブリッド派生品種が市場で約17.7%のシェア値を占めた。アルファルファは同地域のOPVの47.4%を占め、セグメントをリードしている。
- 急成長しているのはインドで、この地域のOPVシェアの36.1%を占めている。ハイブリッドに比べてシェアが低いのは、主に生産性が低いためである。
- 以上のことから、市場は予測期間中に成長すると予想される。
インドは最大の国
- 2021年、アジア太平洋地域は世界の飼料用種子市場全体の16.1%のシェア値を占めた。飼料としての飼料需要の増加と家畜人口の増加により、市場価値は2016年から2021年にかけて26.3%増加している。
- インドは飼料用種子の最大の消費国であり、同地域の市場シェアは30.0%である。これは主に飼料産業からの需要増加による栽培の増加によるものである。
- インドでは飼料用トウモロコシが主要作物として消費されており、アジア太平洋地域の飼料用トウモロコシ種子市場全体の22.8%のシェア値を占めている。需要が大きいのは、生産面積が多く、牛の頭数が増加しているためである。例えば、国連食糧農業機関(FAO)によると、牛の頭数は2016年の3億頭から2020年には3億400万頭に増加する。これは主に乳製品と肉製品の需要増によるものだ。
- 2021年には、インドを除けば、日本や東南アジア諸国がそれぞれ28.8%、20.6%と最大の市場シェア値を占めている。
- 日本では、農林水産省が2030年までに飼料自給率を77%から100%に引き上げるという目標を掲げており、農林水産省は国内の飼料生産を支援するため、飼料作物や飼料用作物を栽培する生産者に支援金を支給している。そのため、同国では今後数年間、種子需要の増加が見込まれている。
- したがって、増産に向けた政府の支援や商業用種子の採用増加といった上記の要因により、飼料用種子の需要は予測期間中に同地域で増加すると予想される。