マーケットトレンド の アジア太平洋地域の戦闘機 産業
予測期間中、従来型離着陸機が最も高いCAGRで成長すると予測される
現在、すべてのセグメントの中で最も高いシェアを占めているのは、コンベンショナル離着陸である。コンベンショナル離着陸とは、航空機が離陸のために十分なパワーを得るまで地面に沿って加速する方式を指す。現在製造されている戦闘機のほとんどは、コンベンショナル離着陸方式を採用している。また、戦闘機の調達は、航空優勢を強化し、パイロットの訓練を追加することなく、既存の航空機を新世代の航空機に置き換えることによって軍備を近代化することを目的としており、従来の戦闘機に対する需要を生み出している。F-35Aは、現在アジア太平洋諸国で使用されている有数の通常型離着陸機のひとつである。2020年1月現在、日本、オーストラリア、韓国などの国から発注された100機以上の航空機が、今後数年間で引き渡される予定である。調達に加え、新しい航空機モデルの開発がこのセグメントの成長をさらに促進すると予想される。例えば、インドの国営防衛航空機メーカーであるHALは、先進中型戦闘機(AMCA)プログラムの下で第5世代ステルス戦闘機の開発を進めている。この航空機は2025年に初飛行を完了する予定である
2019年の市場シェアは中国が最も高い
軍事費の増加に伴い、中国は現在、軍備強化のために先端技術への投資による軍備の近代化を進めている。中国政府は2019年3月、前年比7.5%増の1兆1900億人民元(1776億1000万米ドル)の国防予算を発表した。予算の増加は、米国や他の周辺国との緊張が高まる中、空・陸・海の能力を強化するものだ。同国の戦闘機(空軍および海軍)の約3分の1は、旧式の第2世代戦闘機で構成されている。2020年1月現在、45機以上のJ-15戦闘機が人民解放軍海軍に発注されている。また、同国は航空戦力をさらに強化するため、新たな航空機の開発も進めている。同国は現在、高度な複合材料と低観測特性を備えた新型ステルス戦闘機を開発している。中国航空工業集団公司(AVIC)がその新型機を開発している。同様に、同国は2017年に第5世代航空機であるJ-20機(アジア太平洋地域でF-22やF-35に対抗するために配備)を導入した。現在、空軍は就役中のSu-30MKKを置き換えるため、これらの航空機を調達している。同国の近代化計画と先進戦闘機への投資は、予測期間中の同国の成長を促進すると予想される