マーケットトレンド の アジア太平洋地域のエネルギー貯蔵システム 産業
揚水発電(PSH)が市場を支配する
- エネルギー貯蔵の最初の主な近代的応用は揚水発電である。このプロセスでは、オフピーク時に利用可能な余剰エネルギーを利用して、水をポンプで丘の上の貯水池に汲み上げ、ピーク時に通常の流量に加えることができる。
- 揚水発電は、より効率的なエネルギー貯蔵方法(約75%)のひとつだが、瞬時に利用できないという欠点がある。揚水発電所は中・長期貯蔵に使用され、放流時間は数時間から数日間である。
- PSHの典型的な往復効率は70%~84%である。PSHの平均寿命は50年以上で、バッテリーの寿命が8~15年であるのに比べ、PSHの寿命は長い。
- 2021年、中国は揚水発電容量で世界第1位となり、36.3ギガワットを超えた。日本は約21.9ギガワットの容量で2位に続いた。
- 2022年1月、中国電力建設集団(パワーチャイナ)は、2025年までに合計発電容量270GWの揚水発電所を200基以上建設する計画を発表した。これにより、同国にエネルギー貯蔵システムの機会が生まれると期待されている。
- インドは、2019-2020年から2029-30年にかけて、11の揚水発電プロジェクト(合計8.7GW)を含む79の水力発電プロジェクト(合計30GW)を追加する計画である。同国の揚水発電容量は480万kW(2021年末)である。水力発電はインドの総発電容量の12%を占め、51.4GWである。そのため、新たな取り組みやプロジェクトがエネルギー貯蔵システム市場を牽引すると期待されている。
- 2022年4月、西オーストラリア州で30MWhの揚水式水力エネルギー貯蔵プロジェクトの建設工事が開始され、2023年後半の商業運転開始を目指している。揚水式水力エネルギー貯蔵(PHES)施設の最大出力は1.5MWで、2つのダムを使って30MWhのエネルギーを貯蔵する(持続時間は15時間)。
- したがって、上記の要因から、揚水発電は予測期間中、市場を支配する可能性が高い。