マーケットトレンド の アジア太平洋ビジネスジェット 産業
ラージ・ジェットが最大のボディ・タイプ
- ビジネスジェット機は、少人数のグループを運ぶために設計されたプライベートジェット機である。その他にも様々な用途に使用することができる。2022年7月現在、アジア太平洋地域のビジネスジェット機は世界の保有機数の6%を占めている。このうち、大型ジェット機が52%のシェアを占め、次いで小型ジェット機が22%、中型ジェット機が17%となっている。
- 大型ジェット機セグメントは、ビジネスジェットの大部分がチャーター、プライベート、企業使用のカテゴリーに入るため、圧倒的なシェアを占めている。UHNWIは、主にその航続距離、技術、キャビンの大きさ、効率性からこれらのジェット機を高く評価する主要ユーザーである。最も多く納入されているジェット機には、ガルフストリームG500/550/650/650ER、グローバル6000/7500エクスプレス、チャレンジャー604/605/650、ダッソー・アビエーションSAのファルコンシリーズなどがある。
- 調査期間中、セスナ(Textron Inc.の子会社)は、21機のジェット機を納入し、ライトジェット・セグメントの主要OEMであった。ボンバルディアが6機、ゼネラル・ダイナミクスの完全子会社であるガルフストリーム・エアロスペース・コーポレーションが6機であった。ガルフストリーム・エアロスペース・コーポレーションは97機を保有し、ボンバルディアの45機がこれに続いた。
- ガルフストリーム・エアロスペース・コーポレーション、ボンバルディア、セスナの3社がビジネスジェット市場を独占しており、2016年から2021年にかけての新規ビジネスジェット機納入台数の64%を占めている。アジア太平洋地域で運航されているビジネスジェット機全体のうち、98%は完全所有で、残りは共有と分数所有である。
中国は最大の国
- 2016年から19年にかけて、アジア太平洋地域の新造ビジネスジェット機の納入は全体的に減少した。2020年には、COVID-19の流行により、さらに減少した。パンデミック期間中、同地域の経済活動の縮小と旅行関連の制限がビジネスジェット機の需要と利用に影響を与えた。しかし、パンデミック後は、経済の力強い回復と旅行規制の撤廃により、特に東南アジアでプライベート・ジェットの需要が高まった。特にシンガポール、タイ、カンボジア、マレーシアでは外国からの投資が急増し、プライベート・チャーターの需要が高まっている。顧客基盤が大きいため、ビジネスジェットOEMは主にこの地域をターゲットにしており、今後10年間は新型ビジネスジェット機に対する高い需要が見込まれている。
- HNWIやUHNWIは個人旅行や出張にプライベートジェットを好んでおり、アジア太平洋地域におけるHNWIの増加が新型ビジネスジェットの調達を後押ししている。2016年から2021年にかけて、この地域のHNWI人口は117%増加した。
- アジア太平洋地域で現在運航されている1,240機のジェット機のうち、中国が21%を占め、オーストラリア、インド、日本がそれぞれ約18%、13%、9%と続いている。ボンバルディア、テキストロン、ガルフストリームを合わせると、この地域で現在運航されているビジネスジェット機の66%を占めている。2021年には、中国、オーストラリア、日本がビジネスジェットの新規納入の主要国となる。
- 2022年から2028年にかけて、この地域では460機以上のビジネスジェットが新たに納入される見込みである。中国や東南アジアなど、この地域の発展途上国の経済回復が、予測期間中のこの地域のビジネスジェット市場の成長を後押しすると予想される。