の市場トレンド アジア太平洋地域のバイオ肥料市場
中国、インド、インドネシア、オーストラリアなどの国々で高まる政府の支援が、この地域の有機農業を後押ししている。
- FiBLの統計によれば、アジア太平洋地域の有機農地面積は2021年に370万haを超え、世界の有機農地面積の26.4%を占めた。有機栽培面積は2017年から2022年の間に19.3%増加した。2020年時点で、この地域の有機生産者は183万人で、インドが130万人でトップである。中国、インド、インドネシア、オーストラリアは、この地域で有機栽培面積が大きい主要国である。中国やインドなどの政府当局は、作物栽培における化学物質への依存を減らすため、有機農業を絶えず推進している。例えば、インドはParamparagat Krishi Vikas YojanaやAll India Network Programme on Organic Farming (AI-NPOF)のような制度を実施している。
- 2021年には、中国が250万haで66.1%の最大シェアを占め、次いでインドが19.3%、インドネシアが1.5%、オーストラリアが1.4%であった。全有機農地は、連作作物、園芸作物、換金作物の3つの作物タイプに分けられる。連作作物はこの地域の有機農地の67.5%、すなわち2021年には250万haを占め、大きなシェアを占めている。この地域で栽培されている主な連作作物には、水稲、小麦、豆類、大豆、雑穀が含まれる。
- 換金作物のシェアは第2位で、2021年には0.7百万haとなり、有機農地の18.5%を占める。砂糖や有機茶のような有機換金作物への需要は世界的に増加している。中国とインドは、それぞれ最大の有機緑茶と有機紅茶の生産国である。国際的な需要の拡大により、この地域の有機栽培面積は増加すると予想される。
一人当たりのオーガニック製品への支出はオーストラリアが優勢、中国のオーガニック食品市場は大きく成長
- この地域のオーガニック製品に対する1人当たり支出は、2021年には85.1米ドルを記録した。オーストラリアでは、オーガニック製品に対する1人当たり支出がより高く、同年に34.49米ドルであった。Global Organic Tradeのデータによると、オーストラリアのオーガニック包装食品・飲料市場は、2021年には8億8,520万米ドルとなった。
- 中国の有機食品市場は2021年に13.3%成長し、2023年から2029年の年平均成長率は7.1%で、このプラス成長パターンは続くと予想される。若い世代の間でオーガニック製品の重要性がますます強調されるようになっており、また、就労する母親の数の増加や健康とウェルネスのトレンドの採用増加によりオーガニック・ベビーフードの需要が高まっていることから、オーガニック製品は2025年までに64億米ドルの規模に達すると予想される。
- インドのオーガニック製品は世界需要の1.0%に遠く及ばず、2021年の1人当たり支出額はわずか0.08米ドルである。しかし、インド市場は今後数年で成長し、2025年には1億5,330万米ドルに達する可能性がある。現在、この地域のオーガニック商品市場は非常に断片化されており、一部のスーパーマーケットや専門店だけがオーガニック商品を販売している。消費者の知識の増大と購買パターンの変化によって、この地域の有機食品の持続可能性に対する理解が深まる可能性がある。一人当たり所得の増加と有機食品の重要性に対する消費者の意識の向上によって、アジア太平洋地域の有機食品に対する一人当たり支出 が増加する可能性がある。