マーケットトレンド の アジア太平洋地域の自動車内張り 産業
SUV販売の増加が市場成長を促進
業界では、ハッチバックやセダンに比べて座席数の多いSUVやMPVを好む消費者が増えている。このようなSUV需要の高騰は、自動車生産台数の増加をもたらし、それに伴い、同地域における椅子張りやシートのような関連部品の需要も伸びている
アジア太平洋地域の自動車内装品需要を促進すると思われるもう一つの要因は、電気自動車の生産台数の増加である。中国は電気自動車市場のリーダーであるため、同国の椅子張りの需要は予測期間中に大きく伸びると思われる
自動車用シートと椅子張りのトップメーカーは、新素材や軽量素材の研究開発に投資を始めている
2020年には、ポルシェ・インディアが3Dプリンターでシートと背もたれのクッションの一部を製造する3Dプリントバケットシートを発表した。ベースは発泡ポリプロピレン(EPP)にポリウレタンを混ぜたものを3Dプリンターで接着したものだ
自動車用内装品市場をリードする中国
アジア太平洋地域では可処分所得の増加により、自動車所有者の間でカスタマイズに対する需要が高まっている。同地域の自動車メーカーやOEMは現在、中級車にもレザー内装を提供しており、レザータイプの自動車内装市場の発展を促進している。また、自動車の革張りへの買い手の傾斜が高まっていることも、アフターマーケットチャネルを通じて市場の成長を促進している
中国には多くの業界参加者がおり、世界市場のリーダーのほとんどが現地メーカーと合弁事業を行っている。自動車内装品市場の大手企業の1つであるAdient PLCは、中国で多くの合弁事業を行っている
例えば、アディエント社は2020年にYanfeng Automotive Trim Systems Co.Ltd.(延豊)との合弁関係を具体的に変更した。アディエントは、延豊汽車内装系統有限公司(YFAI)の30%株式を売却することで合意した。Ltd.(YFAI)の株式30%を3億7900万米ドルで売却することに合意した。また、AdientとYanfengは、Yanfeng Adient Seating Co.Ltd.(YFAS)の合弁事業も2038年まで延長する
また2017年、リア・コーポレーションは中国・上海の楊浦区にアジア本部とテクニカルセンターを開設した。リアはアジアで67カ所以上の拠点で存在感を示している。また、同地域には約9つの非連結合弁事業もある