マーケットトレンド の アジア太平洋地域の自動車エンジン 産業
電気自動車(EV)販売の増加が市場成長の妨げに
2019年の乗用車販売はインド、中国、日本などの主要経済国で減少した。2018年の世界の乗用車生産台数は7,049万台で、継続的な成長を記録した。しかし、2019年の生産台数は6,715万台に減少した。道路インフラの改善と中間層消費者の可処分所得の増加が、発展途上国の乗用車市場を牽引している。自動車メーカーによる競争的な車両価格設定も、アジア太平洋地域の発展途上国における乗用車の大きな需要を生み出している
アジア太平洋地域の電気自動車市場も、調査期間中に健全な成長率を示すと予想される。最終的には、顧客は電動モビリティに切り替えるだろうが、自動車の電動化に関連する高コストと地域レベルでの電気自動車の採用は、ICエンジンの関連性を維持し続けるだろう。多くの電気自動車はハイブリッド電気自動車であるため、ICエンジンは電気自動車市場が自動車の完全な電動化を見るまで生産されるであろう
中国とインドがエンジン市場を支配する見込み
予測期間中のOEMの利益の大部分は、インドや中国のような発展途上国からもたらされる。市場成長を促進する主な要因としては、インド、中国、ASEAN諸国などにおける自動車生産とトラック・バスの販売の増加、自動車部品部門の成長が挙げられる。エンジンアフターセールスの市場も、予測期間中に健全な成長率を示すと予想される。エンジンアフターセールスの成長は、顧客固有のカスタマイズと中古車市場の成長に起因している
しかし、この地域、特に中国では、電気自動車の販売と生産が増加しており、これが自動車エンジン市場の成長を妨げている。2018年、中国では125万台近くの電気自動車が販売され、2017年比で60%以上の販売増を記録した。さらに2019年には、貿易摩擦や消費者心理の揺らぎ、モンスーンの不順、祝祭需要の不振、燃料費や保険料の高騰などにより、インドと中国の両方で自動車販売台数の減少が見られ、自動車の生産が鈍化したことも市場成長の妨げとなった。また、シェアード・モビリティやCOVID 19の普及に対する意識の高まりも、市場縮小の一因となっている