マーケットトレンド の APAC アナログ IC 産業
通信機器の需要急増が市場成長を牽引
- 近年、スマートフォン、タブレット端末、クラウドベースの各種サービスなど、さまざまな技術の登場により、より高速で広範な個人向けモバイル通信システムへの需要が着実に高まっており、その結果、モバイル端末と主要な有線ネットワークとの接続ポイントを構築する無線基地局(BTS)の導入が拡大している。
- 5Gへの投資の増加に伴い、5G基地局の数も地域で増加している。例えば、工業・情報化省(MIIT)によると、中国は次世代モバイル・ネットワークを拡大するため、2022年末までに200万の5G基地局設置を目指している。MIITによると、中国本土の5G基地局の設置数は142万5000局で、全国で5億人以上の5Gユーザーをサポートしており、世界最大のネットワークとなっている。
- 近年、市場におけるスマートフォンやスマートホームデバイスの急速な成長は、インドや韓国におけるアナログICの需要を促進している。また、デジタル機器への第5世代(5G)無線技術の採用が増加していることも、コネクテッド・デバイスやスマート製品の需要増加の大きな要因となっており、これらの機器に使用されるアナログICのニーズが高まっている。
- 韓国情報社会振興院(KISDI)によると、韓国におけるスマートフォンの所有率は、2020年の91.2%、2019年の89.6%に比べ、2021年には92.7%と大幅に増加した。同地域におけるこのようなスマートフォンの普及拡大は、同市場におけるアナログICの需要を増加させると予想される。
- 総務省(日本)によると、2022年の国内の5G契約数は4,500万件を超える。KDDI、ソフトバンク、NTTドコモ、楽天モバイルといった各国の大手携帯通信事業者による5Gネットワークの国内展開は、当初は都市部に重点を置いて2020年に始まった。また、日本政府は2024年3月までに人口の95%をカバーすることを目指している。このような要因が、この地域のアナログIC市場を牽引する上で重要な役割を果たす可能性がある。