マーケットトレンド の アジア太平洋地域の弾薬 産業
予測期間中、軍事セグメントが市場を支配する見込み
テロ、領土紛争、地政学的緊張から生じる脅威を鎮圧するために軍隊による弾薬調達が増加しているため、予測期間中は軍事分野が市場を支配すると予想される。各国は、不法侵入や様々な形態の密売から国境を守るために大砲や迫撃砲システムを調達しており、弾薬の需要を生み出している。中国やインドなどの国による防衛費の増加と軍備拡張が市場の成長を後押ししている。中国とインドは世界第2位と第3位の国防支出国であり、国防予算はそれぞれ2910億米ドルと766億米ドルである
例えば、2022年10月、ノルウェーを拠点とする弾薬メーカーNammo ASは、韓国のHyundai RotemとK2 Black Panther主力戦車(MBT)用の新しい120mm弾薬を開発する契約を締結した。さらに、インド国防省(MoD)は、インド陸軍向けに防空(AD)砲の調達を計画している。インド国防省は、220挺の牽引式AD砲と約14万2000発の弾薬の購入を含む提案依頼書(RFP)を発行した。このように、軍事力強化のための支出の増大と先進兵器の調達が、この地域全体の市場成長の原動力となっている
予測期間中に最も高い成長が見込まれるのはインド
予測期間中、インドは市場で大きな成長を示すと推定される。成長の背景には、国防費の増加、テロの増加、中国やパキスタンなど近隣諸国間の国境を越えた紛争がある。同国は、殺傷力を強化した新型先端兵器の調達に注力しており、インドの弾薬需要を牽引している。テロ活動の拡大や、統制線(LOC)に沿ったインドと中国間の緊張の高まりは、防衛分野への支出の増加や防衛力の強化につながっている
例えば、2022年6月、インドの国防調達委員会(DPB)は、インド陸軍の火力能力を大幅に強化するため、伸縮式照準器を備えた4800丁の新型狙撃銃と78,000発の弾薬を調達するための情報提供要請書(RFI)を発行した。新しい338口径ライフルの有効射程距離は1,200メートル以上で、耐用年数は最低10年または5,000発。調達総額は450ルピー以上である。 それに加え、インドと日本は、南シナ海に対する中国の影響力拡大に対抗するため、軍備の近代化に多額の投資を行っている。このように、次世代ライフルと弾薬の調達に向けた投資の増加が、この地域全体の市場成長を牽引している