マーケットトレンド の アジア太平洋酢酸 産業
接着剤、塗料、コーティング剤業界における用途の増加
- 酢酸とそのエステル誘導体(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ビニルなど)は、接着剤、塗料、コーティング剤の製造に広く使用されている。酢酸は酸性の性質を持ち、極性化合物や非極性化合物を溶解する能力があるため、接着剤、塗料、コーティング剤に有用な成分となっている。
- 中国では、自動車産業や建設産業で塗料の需要が増加している。そのため、複数の塗料・コーティング企業が同国への投資を増やしている。例えば、BASF SEは2022年7月、中国南部の広東省で自動車補修用塗料の生産能力を拡大した。
- 同様にインドでも、自動車用塗料と建築用塗料の需要が高い成長率で増加している。OICAによると、2022年のインドにおける自動車生産台数は545万台に達し、前年度の439万台に比べて24%の成長率を示した。
- 韓国でも同様に、自動車産業からの塗料・コーティングの需要が増加している。2022年には、同国の自動車生産台数は375万台に達し、前年度の346万台から9%の成長率を記録した。自動車生産台数の増加は、自動車用接着剤およびコーティング剤市場を牽引すると考えられる。
- このように、接着剤、塗料、コーティング剤の市場需要の増加は、この地域の酢酸市場を牽引するものと思われる。