マーケットトレンド の ASEAN 高吸水性ポリマー (SAP) 産業
ベビー用紙おむつでの用途拡大
- 高吸水性ポリマーの登場により、紙おむつの人気が高まっている。高吸水性ポリマーは、液体を吸収し、圧力がかかっても閉じ込めておく能力があるため、赤ちゃん用おむつに使用されている。
- 赤ちゃん用おむつに使用される高吸水性ポリマーは、その重量の約30倍の尿を吸収することができる。膨潤したゲルは液体を固形でゴム状に保持し、赤ちゃんの肌や衣服に液体が漏れるのを防ぐ。その結果、布おむつに比べ、利便性、快適性、優れた尿漏れ防止効果、衛生面の向上、スキンケア効果が得られる。
- 紙おむつ/おむつ/パンツの消費者である両親の一人当たりの可処分所得は、世界全体で約4,000米ドルである。シンガポールとマレーシアを除く東南アジアでは、特にインドネシア、フィリピン、マレーシアといった国々では、ほとんどの親がこのレベル以下である。
- 共働きの家庭では衛生意識が高く、裕福な中産階級では赤ちゃんの衛生に対する意識が高まっている。これは、東南アジア地域における使い捨てベビー用紙おむつの需要を押し上げる大きな要因となっている。このことが高吸水性ポリマーの需要を押し上げている。
- 赤ちゃんの衛生に関連する製品の潜在的な需要を背景に、複数の大手企業が東南アジア市場に参入している。2019年には、ベビー用紙おむつの大手メーカーであるユニ・チャーム株式会社が、タイを拠点とする紙おむつ・衛生用品メーカーであるDSGインターナショナルを買収してタイ市場に参入した。
- しかし、COVID-19の発生により、東南アジアのいくつかの国で社会的規制が行われた。このため、この地域のベビー用紙おむつのサプライチェーンに大きな障害が生じた。 この要因は高吸水性ポリマー市場の妨げになると予想される。
- 前述の要因は、予測期間中、東南アジア地域における高吸水性ポリマーの需要に影響を与えると予想される。