マーケットトレンド の ASEAN 硫黄 産業
肥料業界からの需要の高まり
- 硫黄は農業において、窒素、リン、カリウムと並ぶ第4の多量栄養素と考えられている。
- 硫黄は植物において様々な機能を持っている。その主な役割のいくつかは、タンパク質の合成とクロロフィルの形成である。また、特に油糧作物では油の合成に不可欠であり、窒素の代謝における活性成分でもある。
- ASEANの肥料需要のほぼ95%は、アブラヤシ、ゴム、サトウキビが占めている。今後数年間はプランテーションが肥料需要増加の主な原動力になると予想され、ひいてはこれが世界の肥料用硫黄市場を牽引する可能性がある。
- さらに、過去10年間の排ガス規制により、硫黄の沈着量は多くの作物にとって必要量を下回り、硫黄の欠乏が広まった結果、硫黄を含む作物・牧草用肥料が幅広く開発されるようになった。
- バイオ燃料に使用されるナタネ生産量の増加は、硫黄欠乏のリスク対策として使用される硫黄肥料の需要増加をもたらした。
- バイオ燃料生産に使用される大豆、トウモロコシ、サトウキビの市場が好調なため、チオ硫酸アンモニウムなどの硫酸肥料の需要が増加している。
- インドネシアの農業によるGDPは、2019年第4四半期の32.1億米ドルから2020年第1四半期には50.5億米ドルに増加した。また、インドネシアの肥料市場は予測期間中に年平均成長率4%で成長すると予想されている。これらの要因は、同国の硫黄市場にプラスの影響を与えると予想される。
- したがって、上記の要因は予測期間中にASEAN地域の硫黄需要に影響を与えそうである。