マーケットトレンド の ASEAN建機レンタル 産業
建設産業への投資の増加
- 過去数年間、世界中でインフラ支出が大幅に増加してきた。しかし、2019年末には景気減速のため、世界の建設業界は衰退を目の当たりにした。この落ち込みは、コロナウイルスの発生により2020年中も続いた。しかし、2020年以降、ASEAN地域全体のインフラ活動の高まりにより、建設機械の需要は勢いを増し始めた。
- ASEANはインフラ・ブームに沸いており、ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアで大規模なプロジェクトが承認されている。インド、日本、中国といった他の主要経済国が提供する融資やその他の援助によって、これらのプロジェクトが促進されたケースもいくつかある。例えば、予測期間中にASEAN諸国の機械需要をさらに増加させるいくつかの鉄道・道路プロジェクトがある、
- 2021年3月、タイ政府はバンコク-ナコンラチャシマ間のタイ-中国高速鉄道プロジェクトに関連して3件の契約を締結すると発表した。バン・ポー-プラケオ区間の土木工事、バン・スー-ドン・ムアン区間の土木工事、ドン・ムアン-ナワ・ナコーン間の工事を含む追加の3つの契約も、書類作成後に調印される予定である。
- さらに、インドネシアの国家中期開発計画(4,600億米ドル)、ベトナムの社会経済開発計画(615億米ドル)、フィリピンの開発計画「Build, Build, and Build(718億米ドル)など、官民を問わずインフラへの投資は、商用車の販売機会を提供すると期待されている。
- タイは建設分野への投資にとって魅力的な国のひとつである。インフラ投資計画2015-2022の下、タイ政府は都市間鉄道網の整備、高速道路の強化、バンコク都内の公共交通機関の整備、海運・空運の容量拡大を計画し、国内全域と近隣諸国の主要地域を結んでいる。
- 2022年6月、洋上風力発電会社のコリオ・ジェネレーション社は、ベトナムの建設会社FECON社と、ベトナムのバリア・ブンタウ省における50万kWの洋上風力発電プロジェクトに関する共同開発契約を締結した。沿岸から約23~35kmに位置するこの固定底施設は、同国初の大規模洋上風力発電プロジェクトとなる。
- 上記のような事例やインフラセクターの発展により、市場は予測期間中に楽観的な成長を遂げることが予想される。
タイがASEAN建設機械レンタル市場をリードする見通し
- タイの建設支出は、タイの経済とともに発展してきた。過去3年間の大規模なインフラ支出の加速に続き、公共投資がタイの建設産業の拡大を後押ししている。
- タイ政府による大規模なインフラ投資は、タイ全土でオフロード車の需要を増加させると予想される。EECは、タイを高付加価値の経済・物流大国にすることを目指すタイの4.0構想の一環となる499億米ドルのプロジェクトである。タイ南東部のチャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンの3県を含むEECは、この地域を重要な経済拠点に変え、国際的な投資を呼び込み、建設機械の需要を高めることを目指している。
- 政府は、再生可能エネルギーの拡大を奨励するためのロードマップ(Remap 2036)を策定した。リマップでは、タイのソーラーパネル価格の引き下げにより、太陽光発電は2036年に17GWに達すると予想されている。再生可能エネルギー分野へのタイ政府の投資は、同国の建設機械市場の需要を支えている。
- 道路、高速道路、地下鉄、空港の建設に対する政府支出が増加していることから、タイではクローラー掘削機のニーズが高まると予想される。
- 一般的に、離れた場所から機械を操作する方が安全であるため、建設機械の遠隔操作は採掘に使用される建設機械の需要を増加させると予測される。オールテレーンクレーンやショベルカーは、政府の再生可能エネルギー計画への投資増加により、人気が高まる可能性が高い。太陽光発電、風力発電、水力発電施設の開発に必要だからである。タイではミニショベルの人気が高まっている。安価な労働力不足と都心部開発プロジェクトの必要性から、建設機械分野では小型掘削機の需要が高まっている。