マーケットトレンド の アジア太平洋繊維 産業
アジアにおけるファッション・アクセサリーの消費拡大
アジアにおける衣料品と履物への消費支出は、2021年には7,568億4,000万米ドルになると推定され、2020年の約6,472億6,000万米ドルに比べ18%増加する。労働市場の回復が続いていることも、消費者の信頼感、ひいては消費を後押しするだろう。アジア(主に中国)からの衣料品需要が伸びるにつれ、この分野での欧州と北米の重要性は低下している。北米と欧州以外の地域の衣料品売上は、2021年にはこれらの地域の売上に匹敵し、2025年には世界の衣料品売上全体の55%に達すると予想される
アジア太平洋地域(ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール)は、アパレル部門にとって非常に魅力的な地域であり、特にデジタル・ソリューションが重要な役割を果たし成長している若者の割合が多いからである。この地域の3大ECサイト(Lazada、Shopee、Tokopedia)の商品売上総額は、2018年から2021年の間に7倍に増加した
輸出の増加がアジアの収益を押し上げる
2021年、中国は約1,185億米ドルを輸出し、世界の繊維輸出国のトップとなった。繊維製品とは、衣料品の生産に使用される素材と、完成した衣料品を指す。中国に次いで2位はバングラデシュで、輸出額は約387億3,000万米ドルであった。中国の輸出額は、アジアの繊維輸出市場全体のほぼ52.2%に相当する
手頃な価格で快適な衣料品に対する消費者の認識が変化し、ビスコース、シルク、麻などの高価値繊維の需要が高まっている。繊維の混紡品種もまた、人工糸と天然糸の大きな特徴によって飛躍的に成長しており、その結果、今後数年間で新たな市場と成長機会が開かれることになる
ポリエステルと綿はこの地域で広く使用されている繊維糸製品である。消費パターンの変化、人口の増加、可処分所得の増加、アジア太平洋地域における衣料品と家庭用家具製品の需要の増加が主な成長要因である
また、APAC地域ではホームテキスタイルの需要が高まっている。ホームテキスタイルには、毛布、ベッドシーツ、テーブルクロス、掃除用・台所用クロス、ドレープ、ベッドカバー、シアー、壁掛けカーペット、寝袋、タオルケット、マットレス、掛け布団、枕、タペストリーなどの製品が含まれ、家庭、ホテル、オフィスなどのインテリアに利用されている