マーケットトレンド の メキシコの青果市場 産業
オレンジとトマトが業界を席巻
- 国連食糧農業機関によると、2021年の主要果物・野菜はそれぞれ2,370万トン、1,470万トンであった。オレンジとトマトは果物・野菜部門の主要品目である。2021年の同国のオレンジ生産量は460万トン、トマト生産量は410万トンである。
- トマトはメキシコで年間を通じて生産されており、秋冬のサイクルと春夏のサイクルが10月から3月(プラス1年)の農業年度(AY)18ヶ月間にわたって繰り返される。保護農業は、特に輸出市場に依存する農場や企業の間で、メキシコ全土でますます普及している。
- メキシコのトマト生産は非常に集中しており、ケレタロ州、コアウイラ州、ヌエボ・レオン州、プエブラ州は、温室や日陰ハウス、灌漑システムなどの保護農業技術の導入が進んでいるため、トマトの収量が最も多い。例えば、シナロア州では露地栽培でローマトマト(サラデット)を栽培しており、その収量は37トン/ヘクタール程度であるが、保護農業では同じ品種のトマトを87トン/ヘクタールから200トン/ヘクタールの収量で栽培することができる。
- メキシコの気候は熱帯から温帯まで様々であるため、生産者は様々な果物や野菜を生産することができる。メキシコの果物・野菜生産の約20%は輸出されているが、大部分は成長する国内市場に出荷されている。
- 柑橘類以外の果物は、より温暖なミチョアカン、チワワ、ドゥランゴ、サカテカス、ソノラの各州で生産されているが、柑橘類の生産はベラクルス、コリマ、ミチョアカン、サンルイスポトシ、オアハカ、ソノラで行われている。このように、メキシコでは天候に恵まれていること、保護農業の栽培が拡大していること、特にアメリカからの輸出需要が高いことなどが、生産量が多い理由となっている。