マーケットトレンド の 弾薬庫 産業
国防軍による弾薬調達の増加
緊張した地政学的シナリオにより、各国は軍備を近代化することで自国の利益を守り、ライバル国に対する戦術的優位性を獲得するために調達やアップグレードプログラムを開始するようになった。例えば、2019年7月、インドは米国から7200万米ドルで非公開の数の砲弾とその他の弾薬の調達を開始した。また2019年4月、インド陸軍はNHPC limitedと協力し、中国やパキスタンとの国境付近で弾薬貯蔵施設用の地下トンネルを建設した。同様に2020年3月、ポーランド軍はMI-17ヘリコプター用のミニガン弾薬を獲得した。ミニガンは1分間に3000~6000発という高い発射速度のため、大量の弾薬庫を必要とする。Empty Shell社のXM556マイクロマシンガンは2019年に生産が開始され、ミニガンとガトリングガンの販売拡大が弾薬と弾薬庫の市場を牽引すると予想される
2019年、中国の世界武器輸出は、パキスタン、ミャンマー、バングラデシュなどの近隣諸国との間で10.4億米ドルに達した。中国の南・東南アジア諸国への武器輸出は、2008年の3億8600万米ドルから2018年には7億5900万米ドルに増加し、2016年には13億米ドルのピークに達した。2006年以来、中国はバングラデシュに約16000丁のライフル銃と約4100丁の拳銃を供給している。こうした要因が、南アジアとアフリカにおける弾薬と弾薬庫の成長を後押ししている
予測期間中、北米が市場を支配する
米国は、敵対勢力を効果的に無力化し、制圧するための多数の銃器やその他の兵器を自由に使える技術的優位性の点で有数の国家である。また、最大の武器輸出国でもあり、2018年の世界武器輸出額は105億米ドルに達している。2019年7月現在、インドは人口密集地に近い敵対勢力の拠点を巻き添え被害なしに攻撃する能力を開発するため、米国からエクスカリバー砲弾の取得を目指している。エクスカリバー弾薬の攻撃範囲は50キロで、さまざまな信管を使用することで、バンカー型構造物に侵入した後だけでなく、空中で破壊することもできる
アメリカはまた、新しい武器や弾薬の熱心な買い手でもある。2020年3月、米陸軍はBAEシステムズとネクスター・グループが製造する155mm BONUS弾薬の調達を発注した。BONUSは装甲目標を破壊するように設計されており、米陸軍のM109自走榴弾砲とM777超軽量牽引榴弾砲に採用される