マーケットトレンド の アルミニウム 産業
建築・建設業界からの需要の高まり
- 建築・建設業界において、アルミニウムは2番目に広く使用されている金属である。窓、カーテンウォール、屋根、クラッディング、日除け、ソーラーパネル、手すり、棚、その他仮設構造物などに幅広く使用されている。
- 世界の建設業界の収益は、今後数年間安定的に成長すると予想されている。2022年末には、約8兆2,000億米ドルになると予測されている。
- 中国は世界最大の建設市場であり、世界全体の建設投資の20%を占めている。中国は、2030年までに約13兆米ドルを建築物に投じると予想されている。中国国家統計局によると、2022年第4四半期の中国における建設業の総生産額は約2,760億人民元(~400億米ドル)で、前期(~276億米ドル)と比べて約50%の伸びを示した。
- 米国国勢調査局と米国住宅都市開発省が発表した数字によると、2021年12月に建築許可された民間の住宅戸数は、季節調整済み年率で187万3,000戸であった。一戸建て許可件数は毎年合計112.8万件であった。5戸以上の構造における戸数認可の年間率は675,000であった。2021年には、1,724,700戸の住宅が建築許可によって許可される予定であった。この数字は、2020年に予測された1,471,100戸よりも17.2%多い。
- インドでは、今後7年間で約1兆3,000億米ドルが住宅に投資され、その間に6,000万戸の住宅が新たに建設される見込みである。2024年には、手ごろな価格の住宅の供給率が約70%上昇すると予想されている。インド政府の「2022年までにすべての人に住宅をも、業界にとって大きな変革である。
- イギリスの2021年の新築工事額(現行価格)は、2020年に15.9%減の1,001億9,900万ポンド(~1兆2,862億2,200万米ドル)であった後、15.3%増の1,155億7,900万ポンド(~1兆5,900億8,777万米ドル)と大きく伸びた。
- 全体として、世界的な建設活動の回復が、予測期間中の建築・建設業界のアルミニウム需要を牽引すると予想される。
アジア太平洋地域が市場を支配する見込み
- 予測期間中、アジア太平洋地域がアルミニウムの最大市場になると予想されている。中国、インド、日本などの国々では、エレクトロニクス、建築・建設、航空宇宙などの産業が成長している。
- 中国の自動車製造業は世界最大である。中国汽車工業協会によると、2022年の自動車生産台数は2,702万台に達し、2021年の2,608万台に比べて約3.4%増加した。
- インドでは、今後7年間で住宅に約1兆3,000億米ドルが投資され、その間に6,000万戸の住宅が新たに建設される見込みである。インド連邦内閣は、国内の主要都市で約1,600の行き詰まった住宅プロジェクトを復活させるため、35.8億米ドルの代替投資ファンド(AIF)の設立を承認した。
- インドのエレクトロニクス市場は、2025年までに4,000億米ドルに達すると予想されている。さらに、インドは2025年までに世界第5位の家電・エレクトロニクス産業になると予想されている。
- インド包装産業協会(PIAI)によると、インドの包装産業は予測期間中に22%の成長が見込まれている。さらに、インドの包装市場は2020年から2025年にかけて年平均成長率26.7%を記録し、2025年には2,048億1,000万米ドルに達すると予想されている。
- 日本では、2025年までに包装食品市場の小売売上高は2,045億米ドルに達すると推定され、3.6%、70億米ドルの成長が見込まれる。このような包装業界の成長予測は、予測期間中、箔として使用されるアルミニウムの需要を促進すると思われる。
- したがって、アジア太平洋地域の国々でエンドユーザー産業が急成長していることから、予測期間中、この地域が世界市場を支配すると予想される。