マーケットトレンド の アルミニウムインゴット 産業
建築・建設部門が大きく成長
- 建設業界における材料としてのアルミニウム需要の高まりは、このセグメントの成長を促進する主な要因のひとつである。アルミニウム地金は主に土木工学で使用される。建設業界では、ドア、窓、カーテンウォール、階段、壁パネル、浮き天井、屋根シート、その他多くの用途に加工される。
- 中国、インド、インドネシア、ブラジルなどの新興国における建設活動の急増は、アルミニウム地金の消費を押し上げる可能性が高い。スタイリッシュでユニークな窓、ドア、カーテンウォールに対する需要の高まりも、製品需要を後押ししている。
- 中国は世界で最も重要な建設市場となった。政府が中小都市のインフラ整備に重点を置くことを計画したため、同国では建設産業が活況を呈している。中国の建設産業は、2021年には約1.2兆米ドルと評価された。
- 建設業界の成長は主に2022年のインフラ工事によるもので、中国政府は経済成長を促進するためにインフラ建設に関する成果を加速させている。インフラへの投資は2022年1月から7月にかけて前年同期比7.4%増加したが、これは主に水利インフラへの投資が前年同期比14.5%増加したことによる。
- さらに、米国でも、人口増加と住宅建設ニーズの高まりにより、建設業界の力強い成長が観察された。2021年には、133万7,800戸の住宅が建設され、2020年比で4%の増加となった。米国の建設部門は8.8%の成長が見込まれており、2026年までに同国の建設生産高は1兆6500億米ドルを超えると予測されている。
- このような要因が、建設業界におけるアルミニウム地金の需要を押し上げるだろう。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域は、建設、自動車、半導体産業におけるアルミニウム需要の増加により、アルミニウム地金の最大の消費国となっている。中国とインドは同地域におけるアルミニウム地金の重要な市場である。これらの国々における建設活動の急増がアルミニウム地金の消費を促進した。
- 2021年度、インドは約108万トンのアルミニウム合金地金を輸出し、その主な輸出先は中国、日本、台湾、メキシコ、韓国などであった。また同期間中、アルミニウム押出材は主に米国、アラブ首長国連邦、カナダなどに輸出された。
- 中国政府は国内のインフラ整備に力を入れている。2022年の最初の7ヵ月間で、国家発展改革委員会(NDRC)は6.6兆人民元(1兆米ドル)に相当する65の固定資産投資プロジェクトを承認した。
- インドは2025年までに世界第3位の建設市場になると予想されている。年間1,150万戸の住宅が建設され、1兆米ドルの市場になると予想されている。21年度のFDI流入額817.2億米ドルのうち、インフラ事業が占める割合は13%であった。さらに、インドが2025年までに5兆米ドルの経済規模を持つという目標を達成するためには、インフラ整備が不可欠である。政府は、インフラ産業の拡大を促進するため、「メイク・イン・インディアや生産連動型インセンティブ(PLI)スキームなどの取り組みとともに、国家インフラパイプライン(NIP)を立ち上げた。
- さらに、年間販売台数と生産台数の両方で、中国は依然として世界最大の自動車市場である。2025年までに、国内生産台数は3,500万台を超えると予想されている。中国の年間自動車生産台数は世界の自動車生産台数の32%以上を占め、欧州連合、米国、日本の合計を上回る。2021年の中国の自動車生産台数は約2608万台で、2020年の2522万台から増加する。中国乗用車協会によると、乗用車用EVの販売台数は1年間で123.7%急増し、2022年7月には約56万4,000台に達した。
- したがって、上記の要因は今後数年間の市場に大きな影響を与えると予想される。