マーケットトレンド の アルジェリアパワー 産業
水力以外の再生可能エネルギー発電が市場を支配する
- 2018年現在、石油・ガス火力発電所がこの国の発電部門を支配している。水力発電を含む自然エネルギーは、生産能力の3.85%を占めるに過ぎない。さらに、太陽光発電とCSPは、同国の総発電能力のわずか3.2%しか占めていないが、今後10年間で、太陽光発電所は、累積で発電量の約15%を占めるようになると予想されている。
- 石油・ガスへの依存度を下げ、CO2排出量を削減するため、アルジェリアは再生可能エネルギー分野の開発に力を入れている。そのため、政府は太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーに依存し、発電能力を高めていく見通しだ。
- さらに、2014年に開始されたFiT制度によると、太陽光発電プロジェクトの基本料金は1kW時あたり12.75ドルから15.94ドルとなっており、電力料金の不確実性を低減することで、アルジェリアの太陽光発電市場への投資を促進している。
- また、アルジェリアの太陽光発電は、電力会社規模から住宅・商業・産業(RCI)分野での普及拡大へと移行しつつある。こうした背景には、再生可能エネルギーを利用した発電を支援する政府の政策や海外からの投資があり、予測期間中はアルジェリアの電力市場を支配することになりそうだ。
国内での太陽光発電所導入の増加が市場を牽引
- 同国は水力発電のポテンシャルが限られており、太陽光発電と水力発電以外の再生可能資源による発電の経験はほとんどない。
- 2019年8月現在、アルジェリアには5600MWの容量の太陽光発電所が建設中である。同分野のさらなる発展を実現するため、政府は国家再生可能エネルギー開発計画(PNDER)を通じて、340億米ドルを投資して2万2000MWの再生可能発電所を設置することを目指しており、太陽光発電が圧倒的なシェアを占めている。
- しかし、アルジェリアは再生可能エネルギーの比率を高めることを目標としており、従来型発電部門の比率は今後15年間70%以上を維持すると予想されており、同国は需要を大幅に上回る供給能力を有している。したがって、アルジェリアでは、太陽光発電を支える再生可能エネルギー源として風力発電を含める経済的論拠は、欧米諸国ほど強くない。
- したがって、予測期間中、太陽光発電市場が電力市場を支配し、牽引すると予想される。